TOP >> 自然葬・散骨という供養の形:自然葬の広がり
近年、日本では自然葬を望む方が増えてきています。その背景には「自然に還るという考え」でご紹介した通り、日本人に古代から根付いていた「死後は自然の大きな循環の中に還る」という自然回帰(死生一如)の死生観が存在します。
その他に社会状況の変化からも、現代に散骨が復活した要因が垣間見られます(1948~1991年までは、散骨には市民権がなく一般的に違法行為と受け取られていました)。それは少子化や高齢化、核家族化、都市化が広まりつつある現在、お墓を管理する習慣が維持できなくなってきているからです。また、日本では火葬率が99%を越えて、葬送法が多様化していることも挙げられます(※)。墓地造成に伴う環境破壊が問題視されているのも、要因の一つです。
※厚生労働省の見解では、散骨は墓地・埋葬等に関する法律の対象外とし、法務省の見解でも散骨は節度を持って行われる限り、違法性はないとしている。
日本消費者協会は自然葬に関するアンケート調査を2003年9月に実施しました。
アンケート結果では、自然葬について
と、全体の55.8%の人が肯定的な回答をしました。これは「自分は墓地に葬って欲しい」の25.2%を大きく上回る結果となりました。
古代の日本では、遺体や遺灰は海や山に還すのが主流でした。しかし、今でこそ市民権を得ている自然葬の歴史的背景は、紆余迂曲折したものだったのです。江戸時代中期以降では、キリシタンの取り締まりなどにより徐々に庶民もお墓を造るようになり、明治には国家的規制や寺檀制度の風習があったこともあり、死亡したらお墓に入らないといけないという固定観念が定着しました。また戦後から長い間、自然葬は違法行為として一般的に受け止められていたのです。
しかし、1991年10月に「葬送の自由をすすめる会」が行った第1回自然葬によって、当時の厚生省と法務省は、同会の考えを認める見解を明らかにしました。こうして同会がそれまで一般的であった通念を破り、自然葬は初めて市民権を得たのです。
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